2017年9月8日金曜日

宇治拾遺集

9月20日、宇治拾遺集を琵琶で語ります。
宇治拾遺集は、13世紀初めに作られたといわれる、説話集です。
197話ある中から、4作選び創作しています。
女性セミナーなので、女性が中心のお話しがいいかな、と。
仏教説話も多いですが、雀報恩の事という、舌切り雀の元の形のようなお話しも。
詐欺?のようなお話し。蛇の女のお話し。奇想天外なものも多いです。
私にとっても初めての宇治拾遺集。
その宇治拾遺集が作られた少し前、平安末期に作られた
梁塵秘抄の今様の歌も入れてみました。
宇治拾遺集のお話しはとても自由な雰囲気がしますが、
やはり仏教の風を感じます。
それは平安末期に人々が歌い聞いたであろう梁塵秘抄の歌と
同じメッセージを感じたのです。

仏は常にいませども うつつならずぞあはれなる
人の音せぬ暁に ほのかに夢に見え給ふ
(梁塵秘抄)

この曲を今回作っている、石橋の下の蛇(くちなは)という作品に入れてみました。
極楽浄土へ導いてもらえるという、菩提講という法華経を学ぶお寺の法会。
そのお寺へ向かう石橋の石を踏み外した若い女、その石の下から現れた蛇が
その若い女の後を追っていくというお話しです。
怖い、けれど、面白くもあります。

写真のお寺は、横浜の南太田というところにあるお寺、常照寺です。
私の生まれた場所に近いお寺ですが、石橋の下の蛇のお話しのお寺もこのようなお寺だったのかなと、感じられるような、ふと引き込まれそうな気持ちになる、お寺。
宇治拾遺集もあっ・・と、引き込まれていくような、そんなお話し集です。