2017年2月19日日曜日

袖振れし

袖振れし 人こそ見えね花の香の それかと匂ふ 春のあけぼの

梅が美しい時です。
梅は先駆けて咲き、花々が咲き乱れる頃、いち早く実をつけて、にっこり微笑んでいるという歌、中国の詩のようですが、梅が好きです。

上の和歌は源氏物語の浮舟の巻から。
2月に玉川学園のカフェで「浮舟」を横田桂子さんとご一緒に琵琶語りをしました。
薫と匂宮、の二人に想われ迷い、川に身をなげるも助けられ出家する浮舟。
出家し仏さまへと梅の枝を折ると、梅の香がほのかに匂う。
その香りに、昔、想ってくれた人を思い出すという、歌です。
今回創作して、源氏物語には催馬楽という歌が多く出てくることを
知ることが出来たのも発見でした。
催馬楽とはその頃の民謡のようなもの。

源氏の中の催馬楽に梅を歌ったものも。

梅が枝に来居るうぐいすや 春かけてはれ
春かけて鳴けども いまだや 雪は降りつつ。
あはれそこよしや 雪は降りつつ。

美しい源氏の世界です.
ままだまだ寒い日もありそうです。
お身体に気を付けて。